街中にある小さなハンディキャップへの気付きを改めて発見し、それを解消するために何ができて行動ができるのかを考えるイベント「心のバリアフリー研修　障害平等研修（DET）」が、2023年11月26日（日）に入間市市民活動センター（通称・イルミン）にて開催されました。

入間市社会福祉協議会の利光さんにお話を伺うと、障害平等研修（DET）はハンディキャップをお持ちである方が「ファシリテーター」と呼ばれる進行役となって、参加される皆さんと対話をしながら社会の中にある「障がい」について新たな発見をしたり、行動を変えたりするためのワークショップのようです。

車椅子の試乗や、アイマスクをして歩行してみるなどのワークショップはよく耳にしますが、対話から導くワークショップは珍しいのではないでしょうか？

また、このイベントは会社や自治体、学校や団体などに向けて行われるワークショップなのですが、今回は数少ない「一般参加型」のワークショップとして開催することになったのだといいます。市民の方々にとっては、とても貴重な機会となりそうです！

筆者が会場に到着すると多くの方がいらしていて、今回のイベントへの関心度が高いことが分かりましたよ。まずはグループ分けです。筆者は4番のグループの皆さんとご一緒させて頂きましたよ。

4番のグループにはOriHimeという可愛らしい分身ロボットに身体を借りた、北海道にお住まいのファシリテーターさんが付いて下さいました。会話をする時には視線が合いますし、声もまるで隣にいるかのようにクリアに聞こえるんですよ！

手をパタパタと振って感情も表現してくれます。皆さんは、そんな愛らしい姿のファシリテーターさんに心を開いていきます。

さあ。ワークショップの開始です。冒頭、入間市在住でDET埼玉代表の上野優一さんから「皆さん。障がいって何だと思いますか？」と質問がされました。単純なワードの質問なのですが、それ故に答えることが難しい…。

「うーん。普通の生活が困難なことかなぁ。」「何かすることに不自由な身体のことかな？」と悩みながらも、皆さんは意見を出し合います。

すると、車椅子に乗った女性の描かれたイラストが各グループに配られました。女性の乗った車椅子の前には階段があり、その上に「入り口」と案内板のある雑貨屋さんのようなお店があります。

そこで、目の前の小さな段差だったり、女性をサポートをしてくれる人がいないことに皆さんは気付きましたよ。「あぁ！！　障がいは、この女性自身ではなくて、女性を取り巻く環境なんだ。」と、会場内からは驚きと気付きの声があがりました。

続いて動画を視聴します。ハンディキャップを持たない男性が、ハンディキャップを持つ方が多数を占める世界へと迷い込み「立場が逆転する」という内容の動画です。

男性はハンディキャップを持たないが故に、タクシーやバスに乗車拒否をされたりカフェでは入店を拒否されてしまいます。眉をしかめて迷惑そうにされたり、点字でしか書かれてない資料を渡されるなど「理不尽さ」を感じてしまう内容なんです。

上野さんから改めて「皆さん。障がいって何だと思いますか？」と質問されると、皆さんからは、今までの解釈とはガラリと違った意見が出始めましたよ。

「障がいってさ、私たちが勝手に都合の良いように作ってる社会だよね。」「優しさや気遣いがあれば消えるはずだよ。どうしたら住みやすい地域になるかな？」と、ファシリテーターさんと一緒に話し合い、自分たちが今日から行動できる事を真剣に話し合っていました。

入間市はハンディキャップをお持ちのお方も、ハンディキャップをお持ちでない方と一緒にパラスポーツやお祭りなどを楽しんでいる素敵な地域です。ボランティア活動も非常にさかんな地域です。

だからこそ、市民の方々が手を取り合って「みんなが住みやすい地域づくり」ができたら最高ですね！

また是非、素敵な市民参加型のイベントが開催されることを願っています。本当にありがとうございました！

入間市市民活動センターはここ↓