【入間市】夢と希望をピアノの旋律に乗せて。希少難病を抱えた小さなピアニスト橋本美海さんのリサイタルが開催されました。

2025年3月29日(土)に「音ふりそそぐ武蔵ホール」にて、入間市在住の中学校1年生でピアニストの橋本美海さんによる「橋本美海 ピアノミニリサイタル」が開催されました。

美海さんは7年連続で出場するヤングアーチストピアノコンクールで銅賞など輝かしい受賞歴を重ね、昨年初出場した「第4回 イブラ・グランド・アワード・ジャパン・コンクール」では見事入賞を果たすなど12歳とは思えないほどの素晴らしいピアノの音色を奏でるピアニストです。

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このリサイタルの開催が告知されると予約希望の方が殺到し、キャンセル待ちが出るほどの人気ぶりだったんですよ。当日の会場には大変多くの方が来場し、美海さんの美しいピアノの旋律を待ち望んでいました。

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美海さんはⅡ型コラーゲン遺伝子(COL2A1)の変異による希少難病「先天性脊椎骨端異形成症(SEDC)」と戦っています。美海さんによりますと、低身長や側弯症などの症状がある美海さんの身長は86cmだといいます。

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ピアノのペダルに足が届かない美海さんのために、お祖父さんがアルミの廃材や滑り止めシートを利用してアシストペダルをDIYしてくれていたのだそう。

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その後、静岡県浜松市の株式会社山一木研さんが何度も足を運びオーダーメイドの補助ペダル「miu special」を完成させ、2022年から美海さんの相棒となったんですって。

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美海さんは「オーケストラとコラボレーションした時に、障害があっても努力や工夫で夢は叶うんだということを強く感じました。今日のリサイタルは小学校の卒業記念の意味もありますが、将来的に側弯症の手術が必要となり演奏活動にも影響が出てくると感じたんです。今の私のすべてを皆さんに届けたい。そんな気持ちを込めて今日は演奏します!」と意気込みを語ってくれました。

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静寂の中から始まる軽やかな音色に会場にいらした皆さんは耳を傾けます。優しく伸びゆく旋律が心地よく響いてきます。曲が変わると美海さんの見た目の可愛らしさからは想像できないくらいの力強い演奏に、ピアノの音色は美しく逞しく跳ね上がります。

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その音色には美海さんのピアノに対する愛や、会場にいる全ての方への感謝が込められていて、筆者は一気に美海さんの世界へ引き込まれるような感覚に陥りました。

美海さんは、はにかんだ笑顔で言葉を紡ぎます。「夢と希望を与えられるピアニストになりたい!」と。

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美海さんは尊敬する世界的にも名を馳せる天才ピアニスト、スタニスラフ・ブーニンさんから「トイ・トイ・トイ」という言葉のおまじないを教えてもらったのだそう。

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ブーニンさんは怪我をした際に、持病の1型糖尿病の合併症による血流障害で傷が塞がらず、左足首が壊疽を引き起こしました。

しかしピアニストとして義足ではなく自身の足でペダルを踏むことができなくなることを拒絶し、壊疽した部分を切除し縫合するという大手術を受けました。ブーニンさんの左足はその分だけ短くなっているそうです。

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美海さんは自身の病と重ね、ブーニンさんのピアノに対する情熱や愛情、感動を与える力に深く感銘を得たのだといいます。

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「私はどんな困難が待ち受けようとも、前を向いて頑張ります。私はピアノが大好きなので(笑)。」と美海さんは目を輝かせながら筆者に思いを語ってくれました。

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リサイタルが終わると、美海さんは自身で用意したという可愛らしいプレゼントを来場された方々ひとりひとりに配りながら感謝の言葉を掛け、写真撮影に応じていました。

素晴らしい演奏だけでなく、この心遣いが来場者の方の心を優しく包みこんでいるのだと筆者は強く感じましたよ。

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きっと美海さんはブーニンさんのように数々の困難を乗り越えていく素敵なピアニストになることでしょう。美海さんの愛のあるリサイタルがまた開催されることを筆者も祈っています。とても幸せな時間をありがとうございました。

音ふりそそぐ武蔵ホールはココ↓

 

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